*ユイトside* 「アイラ………?」 もう、とっくに帰ったと思っていたアイツが、なぜか今、玄関から出てきた。 思わず、椅子から勢いよく立ち上がる。 もしかして、俺を待っていてくれたのか……? 一瞬、そんな期待が頭に浮かぶ。 けれど、それを振り払うように俺は頭を振った。 (そんなわけないよな……バカか、俺は。) こんなにまで、自分の都合のいいように解釈してしまう自分がイヤになる。