最後の夏 ~十年の想い~



寂しいなんて思わない。


そうに思うだけ、自分が惨めになることは分かっているから。


取り残されたユイトの靴を横目に、私は校舎を出た。


*****


「帰りました………」


ガチャっという音を立てて、ドアが開く。


すると、私はとある異変に気づいた。


………母の靴が、ない。


「ユカリさん?いますか?」