*アイラside*
今は使われていない空き教室。
閉め切ったカーテン、埃をかぶった机。
何となく、孤独な雰囲気を漂わせる空間に、少
し、親近感が沸いた。
そんな中、私は、一人の男の子と向き合ってい
た。
「……ずっと、岡本さんが好きだったんです!…付き合って、下さい」
同じクラスの清水君に告白された。
そこそこカッコイいって評判だけど、私は彼の
期待には応えられない。
罪悪感でいっぱいになりながら、私はそっと口
を開いた。
「…ごめん、私、付き合う気ないんだ。でも、好きって言ってくれてありがとう」
そう言って頭を下げると、清水君は慌てたよう
に首を振った。
「あ、頭あげてよ。別に、分かってたから。だから、これからも友達でいてくれる?」
そう言われ、ホッとすると同時に、私はにっこ
りと笑った。
「うん、もちろんだよ。」
そう、これでいい。
自分にそう言い聞かせて、沸き上がる罪悪感を
心の底に押し戻した。