「……う、うん。分かった……」 そうつぶやいて、アイラはそっときびすを返す 。 俺に向けたその背中は、どことなく寂しそうで 、また、すごく儚かった。 本当は、悲しませたくない。 俺が、あの背中を守ってやりたい。 だけど…… ………そんなことは、もう二度と、できないの かもしれない。 やるせない気持ちが、心に影を落とす。 今にも涙がこぼれそうな顔を見られたくなくて 、俺はそっと顔を伏せた。