犬男子、拾っちゃいました。

 “でもあなた、ずいぶん中途半端な姿ね。犬じゃなかったの?”


 「人間になりたいんですけど、それはさすがに無理かなって」


 ………え?ライウ、人間になりたかったの?


 予想外の言葉に戸惑っていたのは、あたしだけだった。


 “ふ〜ん。人間になる方法。ないわけじゃないわ”


 前の主人が墓石の上に、ピョンと飛び乗る。


 見下ろす、前の主人の目には、妖しげな光が宿っていた。