犬男子、拾っちゃいました。

男の子はゆっくり首をかしげると、そっと上目づかいにあたしを見上げて、


「僕?さぁ、誰だろう?」


「………………は?」


え?なに、この子。頭おかしいの?記憶喪失?え?え?え?


混乱するあたしをよそに、男の子は無邪気な笑顔を浮かべて、


「君が、連れてきてくれた」


「あたしが……?」


しばらく、その言葉の意味が分からなかった。けど、分かった瞬間に息が止まりそうになるくらい驚いた。