「ヤバッ……!」


その人は、あたしの前に仁王立ちで立っている。


ギラリ


と、一瞬何かが光った気がして、あたしの全身から血の気が引いていった。


あれ……刃物だっ!


それが今、あたしに向かって大きく降り下ろされて――――……。


「アォ―――――――――ン!」


ながいながい犬の遠吠えが、遠くから聞こえてきた。