犬男子、拾っちゃいました。

 「……ライウ、そのウィッグ…どこにあったの?」


 ライウが髪の毛の先をつまんで、パッと後ろにはらう。


 「小雨の家の床下」


 「……はぁぁぁ!?」


 うちの家にあったの!?


 呆然とするあたしの手をとって、ライウが屋上をあとにした。


 「時間、なくなるよ。はやくまわろ」


 「う、うん」


 あたしが返事した時、ライウが人なつっこい笑顔を浮かべた。