──ねぇっ ほなみ! そう呼ばれてハッとした。 まわりを見ると、どうも 授業が終わったらしい。 居眠りをしてしまったみたいだ。 そして見上げると、頬を膨らませ 「何回も呼んだんだからねっ!?」 と怒る花奈がいた。 春うつつ、とはこのことだな と、花奈に気付かれないように笑ってみた。 そんな私とは裏腹に、 「大丈夫?」と 本当に心配そうに覗く花奈に なんだか罪悪感を感じてしまって、 慌てて大丈夫だよと安心させた。