「おとうさ~んっ!!茉奈ちゃんが僕をいじめるよ~っ」

「いじめてなんかないでしょっ!ほら、カエルだよっ!」

「うわぁ~、僕カエルは苦手なんだよぉ~~っ!!」

向こうで、さっきまで追いかけていた側の諒が今度は追いかけ回されている。
全く・・・

「全く、あいつらも相変わらずだなぁ」

俺の思考と大成の言葉が重なった。

「なんだかんだですっごく仲がいいわよね、あの二人。相思相愛って感じ」

なおの発した言葉に大成の目がギラリと光る。

「っ駄目だ!ダメダメ!まだ茉奈は嫁にはやらんっ!!」

「・・・・はぁ?お前何言ってんだ?」

呆れる俺をよそになおはさらに続ける。

「そんなこと言ってもいっつもあの二人一緒にいるわよ?嫌い嫌いも好きのうち~ってね」

「あ~あ~、何も聞こえない聞こえない聞こえませーん」

「ぶっ、あはははははっ!!」

耳に手を充ててワーワー叫ぶ大成にそこにいた全員が吹き出した。


「おとうさ~ん!早くこっち来てよぉっ!!ひぃっ、助けてぇ~!」

「待ってよぉ~!」

・・・・やれやれ。そろそろ助けに行ってやらないと泣きそうだな。

俺は両手に愛しい我が子を抱いたままゆっくりと歩き始めた。





今日も俺たちには笑顔があふれている。






【愛しい小鳥と新たな未来を・fin】