その日俺はそのまま美羽を抱いた。



もう躊躇う理由なんてどこにもなかった。



彼女が余計なことを考えて不安にならなくて済むように、
彼女の心を、体を全て俺で埋め尽くしたい。

彼女も抵抗することはなかった。


恥ずかしさに震える彼女を怖がらせないように、優しく優しく愛していった。

これまで何度だって経験してきたはずのその行為が、
全く何の意味も成さないほど俺は緊張していた。
俺に全てをさらけ出してくれている彼女を見て心が、全身が震えた。


・・・・そして彼女の胸元に残る傷跡。
それを目の当たりにして胸が抉られるように痛かった。
だが全ては現実に起こったことだ。
俺たちは全てを受け止めて未来へ歩いて行く。
俺は傷跡の残る場所を慈しむように丁寧に愛撫した。




震える彼女と一つになる。

初めて彼女と唇を合わせた時以上の衝撃が全身を駆け巡った。
痛みに耐える彼女を苦しめないように、最後までゆっくりゆっくり抱くつもりだった。



だが、そんな理性も彼女の放った一言で簡単に吹っ飛んでしまった。




俺は自分でも止められないほどに彼女に溺れていった_____