園田の接触で不安の消えない美羽を、とある場所に連れて行くことにした。

それは親友の大成が開いたレストランだ。
都心から少し離れたところにあるが、とても人気のあるところだった。

あいつも俺と似たような環境で育っていて、店を興すまでは色んな苦労をしていた。
そんなあいつがようやく店を構えたときに言われた言葉。

『ここに女を連れてくるときは生涯を共にしてもいい本命の女だけにしろ』

昔から早く本気になれる女を見つけろとうんざりするくらい言われていた。
だが俺にその気は全くなかった。そう思えるような女もいなかった。
だからああ言われたときも、だったら一生女と来ることはないと笑い飛ばした。


だが俺は美羽を連れて行くことを決めた。

それはすなわち彼女との未来を思い描いているということ。
この時の俺は既に彼女と家族になることを現実のものとして捉えていた。


連絡もなしに、おまけに一生連れてこないと断言していた女まで連れて現れた俺に、あいつは心底驚いていた。当然だろう。俺自身が一番驚いているくらいなんだから。

大成が美羽を気に入ったのは一目瞭然だった。
美羽もまた、初めて会う俺の友人にとても嬉しそうだった。
また一歩、彼女との距離が近づいたことを感じていた。



そんな俺を、予想外の告白が待っていた。


一人で考え事をしたい時に立ち寄ることがあった星空のよく見える場所に行くと、美羽は戸惑いながらも自分の想いを俺にぶつけてくれた。
涙が出そうなほど嬉しかった。感動した。

一生をかけて彼女を幸せにしてみせる。
俺はそんな想いで満たされていた。




だが、美羽からの告白はそれだけにとどまらなかった。