「…三成様」

「なんだ?」

「本当に、ありがとうございます」

「…ふふ、愛は感謝するのが好きなのか?」

三成様は、優しく微笑みながら私の頭をポンと叩いた。



━━すると、私の頬を一筋の跡が伝っていった。


涙だった。

たった一筋、流れていく。

後から後から出てくるのではなくて、一粒の涙。


「…今日はもう休め。またゆっくり話をしよう」

三成様は、私の肩を叩いてくれた。

優しく、まるでお母さんみたい。

私はゆっくり頷いた。


「ありがとうございます…」

私はただ、その言葉を紡いでいた。

いや、紡ぐことしかできなかった。