「ちっ…。…左近、準備はよいか」

「はい。いつでもどーぞ」

「………行くぞ」

「合点承知!」

二人の男性は、刹那のうちに私を捕まえている男のもとへ近づき、
刀を抜いた。

「ふんっ、ただの落ち武者が。私に勝てるなんて思ったら大間違いだ」

「ぎゃああああぁぁぁっ!!!」


美しい男性は、男の首をしゅっと斬った。

私は思わず目をつぶった。

途端に頬に感じる、生暖かい液体の感触。

……血、かなぁ……?