「何でも諦める前に父さん達の前からいなくなろうとするな!」


「…ご、ごめ…っ」


溢れてくる涙を堪えることが出来なかった。


父さんに怒鳴られたのも、泣かれたのも初めてだった。



「お、俺…知ってたんだ。ずっと…」


俺の話を父さんはただ黙って聞いていた。



「大人に…なれないって」


「太陽っ!」


驚いたように母さんは俺の手を掴んだ。



「母さん、ごめんね。俺、親不孝だよね」


「な、何言ってるの?」


「父さん。俺が大人になれないんだって、それが本当なんだったら、俺は空良の学校に転校したいです」


父さんの目をまっすぐ見つめる。



「俺の我が儘聞いて下さい。お願いします」


頭を深く下げると、隣でずっと黙っていた空良も一緒に頭を下げた。



「俺からもお願いします!アキを転校させて下さい!」


「何言ってるの!?そんなのダメに決まってるじゃない!」


母さんは俺の頭を上げるように言うと、父さんに同意を求めた。