「…っ、海翔!!」


走って海翔くんの体を引っ張り抱き寄せた。


車は慌てて急ブレーキをかけ、俺の間近で止まった。



「大丈夫ですか!?」


真っ青な顔をした女性が慌てて車から降りてきた。



「…はい」


はぁ、はぁ…と荒れる呼吸を整えていると、公園の方から息を乱した知華ちゃんが駆け寄ってきた。



「海翔!!」


ぎゅうと海翔くんを抱き締める知華ちゃんは、女性にすみませんでした!と何度も謝っていた。



「太陽くんもありがとう。本当にありがとう」


泣きながら何度もお礼を言う知華ちゃんに俺は微笑み、海翔くんの頭を撫でた。



「良かった。助けられて…はぁ、ハル、くんに…はぁ、はぁ…殺される…はぁ」


はぁ、はぁと息を整えようとするが、段々と胸が締め付けられてくる。



「太陽くん…?どうしたの?大丈夫!?」


「ははっ…はぁ、ごめん…救急、車…呼ん…っ」


そのまま俺は意識を失った。