「…治るんだよね?ねぇ!治るんでしょ!?」


ハルくんの腕を掴み揺さぶるが、ハルくんは静かに首を横に振った。



「なんで…だって、知華ちゃんも海翔くんもいるのに!なんでだよ!なんでハルくんが…っ」


「ありがとう…。でも太陽が泣くことないって」


ぶわぁ~と涙が溢れそうになる俺をハルくんは苦笑しながら抱き締めてくれた。



「なぁ太陽…。俺と勝負せん?」


「勝負…?」


「うん。どっちが長生き出来るか」


ハルくんをじっと見つめるが、ハルくんは遠くを見つめていた。



「何言ってんの?ハルくんは死なないよ!知華ちゃんや海翔くん遺して死ぬわけないじゃん!」


「…あぁ。絶対に死なない。だからさ、太陽も死ぬことなんて考えんな」


優しい目を向けられ言葉に詰まる。



「誰だっていつ死ぬかなんて分かんないのにさ、病気やから、どうせもうすぐ死ぬんやからって人生諦める必要ないやろ?」


「………」



「俺は死にたくない。絶対に生きてやる」


そう言っていつもと同じようにニコッと笑った。