「立石行け~!抜かせ!」


「あいつ速いやん!」


「頑張れ~!」


そんなクラスの声援が走りながらも聞こえてくる。


ゴールテープが見えてきた。


そのままスピードを落とすことなくゴールした。





「立石すげぇ!1位やん!」


ゴール付近で待っていてくれた澤田くんは興奮した様子で近づいてきた。



「ははっ…まぁな…俺、運動したらダメなだけで…、運動…神経いいから…」


ハァ、ハァと呼吸を整えながら、バカにした男子達に目を向ける。



「見てたか。ふざけんな…っ」


睨み付けると悔しそうな顔をした男子達の姿が目に入った。



ヒュー…ヒュー…と呼吸が変な音をたてる。




「立石っ!大丈夫か!?」


「…はぁ、先生…ごめん…っ」


青ざめた顔をした先生が駆け足で俺の体を支えた。



そのまま俺は意識を失った―…