「ごめん、ハルくん」


「えっ?」


今にも怒りだしそうなハルくんに目を向ける。



「カマかけた…」


静かにそう告げると、「えっ?」と一瞬表情が固まった。



「…俺、高校卒業出来ないのか」


「…っ、太陽、違っ……」


しまった!と慌てて言葉に詰まるハルくんに確信した。


なんだ…。



「…太陽っ」


「なーんて!嘘だよ!ごめん。ハルくんが病気のこと黙ってたから、ちょっとハルくんに仕返ししちゃった!」


「えっ…?」


俯きかけた顔を上に向け、突然明るく振る舞う俺にハルくんはキョトンとしている。



「ごめんね。知ってるよ。自分の体のことだもん。ちゃんと知ってる。だから内緒にしてね?父さん達には」



知られたくないんだ。


俺がいつまで生きられるか知ってることを…。


これ以上は心配かけたくない。