転校してからしばらくが経ったけど、誰にも病気のことは言えなかった。


もちろん咲希にも…。


咲希は何か隠し事をしていることに気付いているみたいだけど、咲希に病気のことを知られたくなかった。



「咲希のこと好きになった?」


そんな時、空良にそう言われ、俺は正直自分の気持ちにびっくりしていた。



咲希を見るとドキドキするし、話したいな、可愛いな、触れたいな…そう思う気持ちが”好き”って気持ちだと知らなかったからだ。


だから余計に好きな女の子に病気のことを知られたくないと思った。


ましてや余命が一年も残されてないと言う現実を知られたくなかった。



そんな俺に空良は焦燥感を感じたのだろう。


勝手に咲希とのデートを仕組んできた。