それから母さんが再婚する事は無かった。僕がこんな殺人者になっても、だ。
だが、もうその母さんもいない。僕が殺したから。

「ひーとりぼっちは馴れっ子さ〜♪」

母さんが僕に教えてくれた、母さん自作の唄。僕にはこの唄が一番お似合いなんだ。

腕のもげた物体を踏み付けた。脆くそれは崩れて骨だけとなった。気付かないふりをして僕は歩きだした。

今、僕と同じ…此処にいる唯一の生物の元へ。遠くから、独特の遠吠えが微かに耳に届いた気がした――。