「…寝ちゃいましたね、団長サン」

「安心したんだろうね」

「ハリーサン、頬の傷、大丈夫ですか?」

「あーやっぱりバレちゃってた?まぁあんなので誤魔化せたとは思ってなかったけど」

「すいません4人で全部見てました」

「私…途中で目隠しされた」

「それはいいんですよ」

軽く笑ってそっとつぼみの頭を撫ぜる。

…この子は無理しすぎなんだよ。きっとこの熱も無理と疲れが溜まったんだろうね。

「私達部屋戻るね。」

「ハリーサン、看病代わらなくても大丈夫ですか?」

「うん、大丈夫」

「じゃぁおやすみ」

「おやすみなさい」

「うん、おやすみ」

皆が部屋から出て行ったのを確認してからつぼみをベットに寝かす。

「…はぁ」

(まさかあそこで理性が飛ぶとは)

つぼみに嫌なこと思い出させちゃった

スヤスヤと眠るつぼみ。

「…ゴメンね」

熱下がったかな?

(…失礼します)

そっと布団を除けて、服の襟をずらす。

チラリと見える白い肌。

(うっわ。ヤバイ理性飛びそう)

なんとかつぼみの脇に体温計を挟むことに成功。

(…無防備なつぼみが悪い)

そんなこと言ったってなにも変わんないしなぁ…

チラッとつぼみの顔を見たってひたすら眠ってるだけ。

ヤバイ、マジで飛びそうだよ。

トワちゃんに代わってもらうか?でもつぼみの側に居たいしなぁ。

けどまた理性ぶっ飛んでつぼみに怖い思いさせんのやだなぁ。

ピピッ、と電子音の音がして測定完了の合図。

(失礼します)

脇からそっと体温計を抜く。

「…38度1分…」

下がったと言えば下がったね。

つぼみの服直さなきゃ。

襟元を正す。

(うっわ、今見えかけた。つか半分見えた)

うわぁマジで飛びそう。飛ばしてもいいかな。

つぼみの部屋を出てトワちゃんが居ると思われるリビングへ。

「トワちゃぁん…」

ソファに座り雑誌を読むトワちゃん発見。

「あれ、ハリーサン。どうしたんですか?」

「…ダメだよ。理性飛びそう」

「飛ばしてもいいですけどまた団長サンに怯えられますよ」

「それだけはどうかご勘弁を」

「それはハリーサン次第でしょう」

「だよねぇ。あ、そだ。つ…ゴホン。タツミの熱38度1分だったよ」

「…下がったと言えば下がりましたね」

「ね。」

「ん?…どうやって、測ったんですか?」

トワちゃんの瞳が鋭くなる。…怖い

「…」

「あぁ。その時に見えたと」

「み、見えてないよ⁉︎ただ、見えかけたと言うか半分見えたと言うか…」

「うわ見たんですね。変態」

「じ、事故だよ‼︎不可抗力だよ‼︎」

「ヘーンターイ」

「うぅ、男は皆変態なんだよ!」

「うわ俺も巻き込まないでよ」

「ひ、ヒビヤくん…まだ起きてたの?もう23時だよ?…小5なのにこんな話聞いちゃっていいの…?つか理解してんの?」

「…知り合いがどエロなんだよ。嫌でも覚えるさ」

「あれは…どエロの中のどエロですよね」

「だよな」

「まぁ…ヒビヤサン愛しのあの子は純粋ですよね♪」

「と、とと、トワ姉‼︎」

「あの子が居る時はそんな話するなってあいつに言ってましたし?ハリーサンと団長サンのキスシーンの時もちゃっかりあの子の目塞いでましたもんね」

「そこも覗いてたの⁉︎」

「あ、あいつにあれはまだ早いだろ…」

顔を真っ赤にしてトワちゃんから目を逸らすヒビヤくん。僕も顔真っ赤だよ。

「私はミオンサンの目塞いでました。

…ヒナさんは?」

「やっと寝たよ。」

「なんにも無かったんですか?」

「無いよ!起こす気も無い!」

「…待って?ヒビヤくんの好きな人ってまさか…」

「…」

「…ヒナちゃん?」

「〜〜〜〜‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎……………………そーだよ!悪いかよ‼︎」

さっきよりも顔を赤くして怒鳴るヒビヤくん。いや、別にいいんだけどさ…

「ヒナちゃんとヒビヤくん、双子だよね…?」

「…俺達、血繋がってないんだ」

「えっ‼︎」

「2人で拾われて、2人で拾われた親に捨てられたんだ。ずっと一緒だったし顔も似てるからヒナも双子と信じて疑わないんだ。ヒナはまだ、俺達血の繋がった兄妹だと思ってる。

ま、そっからは知ってる通りだ。」

「…ヒビヤくんはどうやって知ったの?」

「私に頼んで来たんです。2人は本当に血の繋がった兄妹なのかって」

「それで…」

「このことを知ったらきっと千奈は傷付くよ。本当の家族は居ないんだって」

「じゃぁヒビヤくん。プロポーズの時に言うんだね⁉︎」

「はっ⁉︎ぷ、プロポーズ⁈」

「するんでしょ?」

「何年後の話だよ…俺まだ小5だよ?」

「えっと、7年後くらいの話かな?」

「俺、もう寝るよ…」

「確かヒビヤサンはヒナサンと同じ部屋ですよねぇ」

「えっそうなの?」

「はぁ。…ヒナが寂しがりやなんだよ。暗いとこもダメでさ」

「ヘェ〜頑張ってね」

「もう寝てるっつの!」

顔を真っ赤にしながらヒビヤくんが出て行く。

「私団長サン看て来ますね。ハリーサンはご飯食べてください。電子レンジに入ってますので」

「えっ⁉︎ありがとう!」

トワちゃんはニコッと笑ってリビングを出て行く。

僕は台所に行きレンジでご飯を温め出す。

(そうだ、僕ご飯も食べてなければお風呂も入ってないや)

ご飯が温もりお箸を持つ。

「いただ『ゴンゴン!』⁉︎」

何何何…⁈

そぉっとドアを開ける。お化け⁉︎強盗⁉︎泥棒⁉︎幽霊…⁉︎無理無理幽霊とか…

「すいませんハリーサン。お粥下げるの忘れてましたね♪お盆持ってて両手塞がっちゃって…☆」

「ビックリしたぁ、トワちゃんかぁ〜」

今全力でほっとしてるよ。

「?ハリーサンお風呂入ってないですよね?あ、私達ミオンサンがしてくれたので入りました。」

「ならよかった」

「ハリーサンが入ってる間私が看てますので」

「頼めるかな?」

「はい。了解です。今ぐっすり寝てるので多少部屋開けても問題なさそうです」

「そっか。じゃぁ今度こそいただきまーす」

焼肉を口に運ぶ。美味しいぞ。つぼみには負けるが美味しい。ご飯が進むね♪

「美味しいや!トワちゃん料理上手なんだね」

「えへへ…」

「そう言えばトワちゃんの好きな人って誰なの〜?」

「えっ⁉︎」

目を見開き固まるトワちゃん。

「そんなにビックリすること?だってトワちゃん僕の好きな人知ってるんだからさ、教えてよ。不公平だよ」

「やっぱハリーサンの好きな人って団長サンなんですね…

てゆーか、私の好きな人言ってもわかんないですし…」

「大丈夫、トワちゃんの好きな人をこのバンドに招待するから♪」

「えっ⁉︎マジ…ですか?」

「うん♪」

「…私の好きな人は…」

顔を真っ赤にして俯くトワちゃん。

「黄緑の髪に山吹色の瞳なんです。いつも笑顔で優しくて、天然で…食いしん坊ですね。あ、あとどエロです。よくセクハラ&セクハラ発言されます。けど…なんか許せちゃうんですよね。あいつだと。」

顔を真っ赤にしながらそう言って笑うトワちゃん。

「それだけ好きなんだねっ♪あ、そのピンってもしかして…?」

「うっ‼︎そうです。あいつに貰ったんです。俺とお揃いだねって言うから、つい付けちゃうんですよ…

私の好きな人の好きなところ教えたんですからハリーサン、団長サンのどこが好きなんですかっ‼︎」

「えっ⁉︎」

いっぱいあるなぁ。

「えと…全部…かな」

「フゥー♪」

「ご、ごちそうさま!タツミには負けるけど美味しかったよ」

「へぇ!そんなに団長サン料理上手なんですね!早く食べてみたいなぁ」

うっとりとした表情で笑うトワちゃん。

「それタツミに言ってごらん?喜ぶよ」

「ホントですか⁉︎なら後で早速言います♪」

「じゃぁ僕お風呂入ってくるよ」

「なら私は洗い物してから団長サンの部屋に行きますね」

「よろしくね」

トワちゃんにつぼみを任せ、僕はお風呂に入る。

「ふぅ」

湯船に浸かって考える。

(僕ってそんなにわかりやすいかな…?)

え、そんなにわかりやすいならもしかしてもうつぼみにバレてる⁈

(うわぁ!それだけはダメだ!)

ザバッと音を立てて立ち上がる。

体を拭いて服を着て頭を乾かす。トワちゃんに聞いてみよう。

えーつぼみにバレてるのかなぁ。でも鈍感だしなぁあの子…でもなぁ。バレてませんように…

「トワちゃん、お風呂上がったよ」

「あ、ハリーサン。団長サンはご覧の通りぐっすりです。」

「どう?だいぶ下がった?」

「まぁ」

「ねぇ、トワちゃん…」

「はい?」

「僕の好きな人、つぼ…ゴホン。タツミにバレてるのかなぁ…」

「多分バレてないですよ‼︎それにしてもハリーサンは団長サンの事を2人きりだとつぼみって呼ぶんですねぇ」

うわっ、トワちゃんニヤニヤしてるよ。

「うっ…あ、そ、そうだトワちゃんタツミの好きな人ってわかっちゃったりする…?」

トワちゃんは少し考えるそぶりを見せてからニコッと笑う。

「私の予想ですが。98%の確率で合ってます。」

「えっ⁉︎誰⁈」

「ハリーサンも鈍感なんですねぇ。まぁ団長サンもですが」

「この時ばかりはタツミが鈍感でよかったと思うよ…」

「団長サンも結構わかりやすいですよ?」

「えー?全然だよ」

「…」

えー、みたいな顔でトワちゃんに見られてるけど気のせいかな…?

「ふわぁ…」

「あ、トワちゃん眠いの?看病代わるよ。ありがとうね」

「はい。おやすみなさい…」

ふわぁ、ともう一つ欠伸をするトワちゃん。

プルプルプル。プルプルプル。

「?トワちゃん電話?」

「はいそうです…げっ‼︎」

画面を見た瞬間固まるトワちゃん。

「誰からなの?」

「どエロ星人からですよ…はぁ」

ため息をつきながらも若干嬉しそう。

「早く出たら?」

「も『ケイー‼︎なんでワンコールで出てくれないの⁈遅いよぉ‼︎寂しかったじゃん‼︎』

「だー!うるさいです!こっちにだって色々あるんですよ‼︎こんな夜中に何か用ですか‼︎」

電話の相手の声も大概デカイがトワちゃんの声も結構デカイ。つぼみ起きないかな?あ、大丈夫だぐっすり寝てる。

「トワちゃんもうちょっと静『ケイぃ、会いたい…』

「ぅ…黙れ」

『酷い!前はこれで会いに来てくれたのに…』

「この前行ったら襲われかけただろうが!」

『もう襲わないよっ!…睡眠薬仕込むだけだから…ねっ?』

「はっ⁈睡眠薬ぅ⁈」

『あ、拘束の方がいい?』

「さよならおやすみなさい永遠に」

『えっ⁈ケイちょまっ』

ブチッと一方的に電話を切りため息をつくトワちゃん。

「トワちゃんが敬語じゃ無かった…」

「…あいつと居ると敬語が崩れちゃうんですよね」

バタン‼︎

「え?」