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「お前、名前はー?」

「教えないけど。」


やけに顔の整った人だと思った。
と、同時に「絶対関わりたくない何コイツ」と思った。

(うっわ、なんか・・犬?前髪なんでピン?切れよ!)


幼い私は彼を受け入れられなかった。


風見日向と、私、加東千夏。


そう、出席番号が近くたまたま隣になった人がコイツだったってだけ。




仲良くなったってわけじゃないけど、打ち解けるようになったのは運動会でたまたま同じ組で、たまたま同じ種目で、たまたま隣だったおかげだと思う。



今思うとあれ仕組まれてた気がする。


まぁ種目って、玉転がしだったけど。
日向玉の下敷きになって事故ってたけど。








それから中学、高校も一緒だった。
いい迷惑だ、腐れ縁っていいうんだっけ?




なんて、昔のことを振り返ってる自分は案外コイツが大事なのかもしれない。
般若とか言われたけど。
別に根に持ってないけど。




「千夏ー?おーい」


不思議そうな顔をしながら私の顔を覗き込む日向。

その仕草に少し驚き、身をひく。