いつからそうなったのか。
思い出せないし、思い出そうとも思わない。
「千夏!おい、待てって!」
廊下と靴の擦れる音と、蝉の鳴く声。
その間から聞こえる声。
「何。」
暑くてイライラする。
あっついな、本気で。今気温何度あるんだろう。
「え、お前怒ってんの!?なんで!?」
ピヨンと跳ねてる髪が視界にはいる。
「うっさい。怒ってない。あんたの髪ウザイ。」
背中に汗が伝う感覚がする。タオル教室だし。
「怒ってるじゃん!ウザイ言うな!ファッションだ、ファッション!」
誰だってこんな暑ければイライラするし、機嫌も悪くなるだろう。
(ファッションなのか・・・?)
「で、用件は?」
「え、ないけど。」
「なんで呼んだんだ貴様・・・!」
「いや、廊下見たら千夏いたから・・怖いって!!顔!!顔怖い!!般若か!」
誰が般若だ。失礼にも程がある。殴るぞ。
風見 日向。
コイツとの出会いは小学4年の時だった。