お姫様と7人の王子

「えっと…。も、申し訳無いのですが…」

白羅が"はぁ"と溜息を漏らす。
わからない物はわからないんだもの。
仕方ないじゃない。

「はぁ。俺は結楽、妖界名 湖白(こはく)の実の兄だよ。

まぁ。仕方ないけどな。

俺達双子の兄妹なのに…な。」

え?

「え??ど、どういうことですの?」

「完璧な双子じゃないけどな。」

と私の兄を名乗る男がいう。

それも気になるけど、妖界名って?

その後ろからは

「そういうことなのね…。」

と納得する女性がいた。

え?

だ、誰?

私の疑問に気がついたようで、

「あぁ。私は白羅を育ててる紅葉(もみじ)」

「初めまして。」

「礼儀のなってる子だね。

湖白。それは前の姫が君に残した名前だよ。

前の姫の名は真白(ましろ)。

次の姫の妖界名を残すのが掟だ。

と言っても300年前の姫が残してくれたんだよ。

それと、

なるほどね、君と白羅が兄妹である記憶は全て消えてしまったんだな。」

大学生とはいえまだ6歳の私にはチンプンカンプンだった。

「あぁ。

あのね。

白羅は神の子なんだ。」