お姫様と7人の王子

「ゆらちゃん。

僕の人間界での名前を覚えておいてよ。

時々会えるかもだから。

ほぼ同じだけど、篠崎雨多(しのざきうた)だから。」

ん?

「ウタも人間界で生活してるの?」

「あぁ。殆どの妖怪は人間界での、戸籍や家名前を持ってる。

最新の機器を使いたくても、例えばケイタイとか言うのも登録できないからね。

不便だし。」

そっかぁ。それもそうだね。

「わかった!覚えておくね!」

「なぁ。話し込み中悪いんだけど、もう家帰った方がいいんじゃね?」

あ。

私は腕時計を確認する。

も、もう三時間も話し込んでたの?!

「わ、私帰る!

あ、

また来てもいいかな?」

ウタと白羅に聞く。

「おう。また来いよ。」

「えっ。もちろん!姫、家まで送りましょうか?」

二人共にこやかに笑う。

「おくらなくても大丈夫!あと、姫と敬語はやめて?私そんな人じゃないもの。

友達でしょ?

また遊びに来るね!!」