(猪崎玲音)


俺は意識のない愛璃亜の前で悩んでいた。


俺は吸血鬼になった時のことを思い出していた。




ー10年前俺にまだ命と言うものがあった頃の話ー


俺は17歳だった。


ハンターをやってた親父を見て育ってきた俺はハンターに憧れていた。


親父も俺がハンターになってくれるのを望んでいて毎日ハンター修行をしてい


た。


ある時親父に吸血鬼狩りについてこないかと言われ俺は喜んでついていくこと


にした。


だけどターゲットの吸血鬼は一筋縄ではいかない奴だった。


俺を変化させたのはその時の吸血鬼だ。


その吸血鬼は仲間が欲しかったらしい。


だけど親父がそうはさせなかった。


その吸血鬼は夜の闇に姿を消した。


俺の時間は永遠に17歳で止まることになったのだ。


親父の願いあって俺はハンター達に葬られずに済んだ。


俺は吸血鬼を狩る吸血鬼になったのだ。


お陰で俺は吸血鬼以外の者は喰わずにやっていくはずだった。


でも変化してから数日たったある日軽井沢で怪我して血を流してる愛璃亜に出


会った。


愛璃亜の血の香りはとても香しかった。


俺はその時始めて生き血を味わった。


その後何度も生き血の誘惑に負けそうになった。