直哉は、まず鳩羽と白田に連絡をいれた。すると鳩羽は授業があるため夜に会うことになった。白田は、午後は空いてるとのことだったので一時間後にファミリーレストランで会うことになった。直哉が、自転車に跨がろうとすると東雲が呼んだ。

「おい、そんなんじゃ足もたねぇよ。」

東雲のほうを見ると彼の横にはバイクがあった。

「お前、それ!」

「お前、知らねえの?自動二輪の免許は16からとれるんだぜ。」

「バカにするな。それぐらい知ってる。というか高校の規則に反するだろ。」

「規則は破るためにあるって俺、誰かから聞いたことあるんだよね。ない?」

「ない!」

東雲は、もうひとつのヘルメットを直哉に渡した。

「乗れよ。自転車より幾らか楽だぜ?」

「お前の背中に頬を寄せる?汚らわしい。」

「じゃあ、好きにしろ。」

東雲は、直哉を置いていくそぶりをした。

「ああ!分かった、あとでシャワー浴びれば大丈夫だから。…乗せて…くれ。」

「何て?」

「乗せてくれ。」

「敬語で!」

「乗せて下さい!」

東雲は、いたずらっぽく笑い直哉の元に戻って来た。

「乗れよ。」

直哉は、東雲の誘いを渋々受けたのだった。