「美羽先輩.」

優しい声音で呼びかけられ,振り向く.
其処には此方を見詰めてくる愛らしい後輩が居る.

「なあに…?」

私は素っ気なく返事する.
好きって気付かれたら私の負けだ―――




「美羽先輩.」

相手を見つけて,直ぐ様声を掛ける.
此方を見て素っ気なく返事する先輩,でもね…知ってるんだ.

「放課後4時,図書室で待ってます.」

俺は軽く愛想笑いをしながら耳元で囁く.
びくっと反応する相手が愛らしい…壊してしまいたくなる程―――