男達は一斉に振り向く。

数秒ほど、私の姿を見ていたむさ苦しい髭面の木こり風の男達。

でもすぐに。

「これはこれは」

彼らは下卑た笑みを浮かべた。

…濡れて肌に張り付き、透けた私の服。

うなじにまとわりついた黒髪。

東洋人の血が混じっているらしい私の顔は、端から見るとエキゾチックで魅力的だという事だった。

この下衆な男達にもそう映っていたのだろうか。

どうでもいい事だけど。

「こんな場所をそんな格好で一人でウロウロしてるなんて、怪しいな…」

「お前も魔女か?俺達がひん剥いて隅々まで調べてやろうか?」

「ああ。魔女は体のどこかに魔女の印があるって話だしなぁ…」

男達はさっきまで言い寄っていた女の子に続いて、私にも気安く触れてくる。

節くれだった手で撫でられると、鳥肌が立ちそうなほど嫌悪を感じた。

だから、早々に退散してもらう事にする。

「あら…私が魔女だなんて…」

私はカッと目を見開く。

「なんでばれちゃったのかしら?」

その瞳を見て、男達は顔面蒼白となった。

私の瞳。

白目の部分は金色に光り、瞳孔は縦長になっていた。

蛇の瞳孔のような、何の感情も感じさせない、あの形だ。

「ばれた以上は、生かしておけないかしら?」