魔女の瞳

…私は身を隠すのをやめて、教室の中に一歩足を踏み入れた。

その足音で、安藤はビクリとして振り返る。

「安藤先生、大変なものを生み出してしまわれたんですね」

私は笑顔さえ浮かべて彼に言った。

「…!!」

教室にある『それ』を庇うような仕草を見せる安藤。

それは、我が子を庇うような行動にも見える。

いや、事実彼は我が子を庇っているつもりなのだろう。

しかし。

「先生、『それ』は人に似て非なる者です。亡くなられた娘さんの代わりにはなりませんよ」

「う、うるさい!お前に何がわかる!!」

明らかに『それ』の創造に寝食を削っていたのだろう。

安藤は狂気じみた表情でわめき散らした。

「僕は娘を取り戻せるなら…何だってしてやるんだ!それが神を冒涜する行為だとしてもな!!」

「先生…それは神の冒涜ではないです」

私は静かに言う。

「悪魔の所業です…人が人に似た怪物を生み出すなんて…」

「うるさぁいっ!!!!」

狂ったように叫ぶ安藤。

その、創造主の怒りに呼応したのか。

「!」

水槽の中で眠るように動じなかった人型達が、カッと目を見開いて起き上がり始めた。

そして一斉に、私にノロノロと近づき始める…!!