☆同じ学校

私は今年の春から憧れの高校生になれると思っていつもよりわくわくな気分でいた。
なのに・・・!なのにだよ!?
あいつが・・・!
「おーい。チビ。おばさん、朝飯作って待ってるぞー?早くおりてこいよな!の、ろ、ま!」
誰が、チビだ!誰がのろまだっての!
昔は、裕人(ひろと)の方がチビだったくせに・・・。
私の幼馴染、香山(かやま)裕人はいつもこうして私の家に勝手に上がりこんでくる。
家が隣であって、親も仲がいいから・・・将来は「結婚いいかもねぇ♪」なんて馬鹿なこと言ってる・・・。
私には、心に決まった人がいるの!
その人は私の1つ上で、かっこよくて、優しい先輩!!
神埼正樹(かんざきまさき)先輩♪
本当にかっこいいんだよ!!
前、まだ先輩が中学校にいる時に私ハンカチ落としちゃったらしくて、それを教室まで届けてくれたやさしい人なんだ。
渡される直後に名前聞かれたんだけど・・・。「あ・・・天月!!空でしゅぅぅぅう!!(あまつきそら)」なんて言ったの今でも覚えてるw
あれはさすがに恥ずかしかったなぁ・・・。
でしゅぅぅぅう!!ってw
私は何気に時計を見た。
「うわぁー、もう、7時だぁ。・・・・。7時!?やば!!入学早々遅刻なんていやだよ!!」
ぱっぱっと着替えて1階におりる。
「そーちゃん。おはよう。朝ごはんできてるわよ」
「えーっと!んーっと!!いらない!!髪の毛とか顔とかやんないとだし!!」
「空チビー。だから、身長のびねぇんだぞ?w」
「うるさいなぁ!もう!!」
ほんっとうに!裕人はうるさい!!どうしてあんなにもうるさいの!?
まぁいいや!構ってられない!!急がなくちゃ。
セット等をしていたら7時45分ぐらいになってしまっていた。
「お母さん!行ってきます!!」
「行ってらっしゃい。気おつけてね。入学早々遅刻なんてしないでよぉ?wあ、ひーくんもう行ってるよ。走れ!そーちゃん!!」
裕人のやつめぇ・・・。
靴を履いて玄関を荒く閉めて走り出した。
すると、裕人にしては少し高い身長の人が目の前をゆっくりと歩いていた。
よく見ると・・・正樹先輩だ!!
「正樹先輩!おはようございます!」
正樹先輩は誰?って感じの顔をしてから思い出したかのように口を開いた。
「あ。空ちゃん?」
「はい!」
「おはよー。んーっとね、俺と一緒に行ってたら遅刻しちゃうよ?」
「あー・・・えっとー・・・んー・・・・」
「ほら、先にいきな?」
「はい!失礼します!正樹先輩も急いでくださいね!」
「ありがと。またね」
正樹先輩は微笑むと手を振ってくれた。
当たり前だけど、もちろん私も振り返した。またね。ってゆーことは・・・また会えるのかな!?
嬉しいなぁ・・・。
1人、学校に急ぐ私は、周りから見ても気味の悪いぐらいニヤニヤしていたと思う。
それを見ていたかのようにスマホの画面に映し出された文章と名前でニヤニヤが一瞬で消えた。
【急がなと、遅刻だぞ?俺もうついてるし、しかも教室また同じだな(`・ε・‘)】
なんて最悪!
小学生の時も、中学生の時もほとんど一緒なんて・・・!しかも、高校まで!?
神様、うらんじゃうよ・・・?
とにかく、急がなくちゃ!!