「みんな、今日はすーっごくお外が暑いみたいだから、お外から帰ってきたらちゃんと、手洗
いうがいをして、時々お水も飲むようにしてね！分かった人は手を上げて！」

女の子の声にこたえるように、２０人くらいの幼稚園児から小学校５年生くらいの子供たちの手がパラパラと上がる。

「あれ？少し少ないなぁー。もう一度、わかった人は手を上げて！」

「はーい！！！」

今度は全員が元気よく手を上げる。

「よーし、ＯＫ！じゃあお外で遊んできていいよ！」

「やったー！」

２０人以上の子供たちが元気よく外に飛び出していく。

女の子はひとり、家に残って楽しそうな子供たちを眺めていた。
と、

「こんにちは、夢羽さん。今日も子供たちの面倒を見てくれて本当にありがとう。」

「園長先生。」

女の子…ひまわり園の最年長、沢宮夢羽が振り返った。

「さすが夢羽さんよねぇ。しっかりしてるわ。」

「いえ、そんなことは…ただ、小さい子が好きなだけです。」

園長先生は夢羽の肩をたたいていった。

「これからも、あの子たちのこと、よろしくね。」

「はい。」

夢羽は力強くうなずくと、園地用先生は部屋を出ていった。


夢羽が聞かされたのは、次の日だった。