「よし。」

女子部屋のドレッサーの前に座って髪をとかしていた夢羽は、アンティークデザインのすこし重いくしをコトンとおいて、鏡の前でパチン!と頬をたたいた。

「平常心平常心。」

夢羽は言ってからさっと立ち上がり、しわしわになった服を整えてから部屋を出た。