「こわ」



相内君はそう言って、私に手を差し伸べた。




「大丈夫か?」




「ん、ごめん…」




私はその手を借りず、起き上がった。




私のばか。




千夏は相内君が好きなんだよ?




どうして、キスしてしまったの。




止められたはず。しなかったはず。




私のこの気持ちは、恋、なんかじゃ、ない。



千夏が相内くんを好きなんだから。




だめ、だめ。




だめなの。




好きになっちゃいけないの。




恋をしてはいけないの。




彼には。