「おおっと、そんなに警戒する必要は無い。
私は、CIAのトップエージェント“ジョン・マンジーロ”という者だ!」
片手でCIAの身分証を板倉の目の前に突き出し、もう片方の手で煙草を取り出して、口にくわえ、半身になって火を点ける。
「分かるね……これは、国家の存亡に関わる重要なミッションなのだよ。まあ……君達の上司には、後で本国の然るべき機関から連絡がいく様に話をつけておこう……」
そう言って、板倉の横を通り抜け、歩き出そうとするジョン。
「……ん?」
ジョンのその一歩が、限りなく重かった。
「通行証……」
再び板倉が、ジョンの襟の後ろを掴んでいた。
「だから!私はだなぁ~!」
ブン!
先程よりも更に強い力で、ジョンは道路の端へと投げ飛ばされた。
「うるせえ!
CIAだかNHKだか知らねえが、通行証が無えと通れないんだよ!
どおしてもここを通りたかったら、俺を殺してからにしやがれ~!」
そう言って腕捲りをして、自慢の筋肉をジョンに向かって見せ付ける板倉。さすが、この道十年のベテラン守衛は、一筋縄にはいかないようだ。
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