【長】野球ボール

「今、一輝…ホームに突っ込まなかった」


「え?一輝は確かにホームベース目指してたよ?」


それは間違いないはず…。


「直接ホームにスライディングはしてねぇよ。向こうのキャッチャーのブロック完璧だった。一輝は一瞬で判断を切り替えたんだ」


「切り…替えた?」


「わずかなブロックの隙間を狙って、回り込んでスライディングしてた」


「……?」


どういうこと?

回り込んでって?




「滑り込む瞬間にベースに手をのばしたんだよ。隙間に。やっぱ一輝すげぇや…完璧だった」


目を見開いてそう言ったソウソウ。


あの一瞬を、一輝とソウソウは見極めたんだ…。


声が出ない。


出せるはずなかった。


あたしなんかとは、レベルが違うんだから。