【長】野球ボール

「支えなしで打ったっていうよりは、右手が支えの役割までしちゃったって感じ?」


そう励ちゃんが教えてくれた。


「キョンキョン見てみ?一輝の右腕」


「右腕ー?」


「腕が筋肉で一回りぐらいデカくなってんだろ?骨くっついてないときも、じっとしとけよなー」


ソウソウが一輝を軽く睨みながら言った。


「……ほんとだ…」


左手は骨折中動かせなかったから、今までより少し細く見える。

けど右手は誰!?ってぐらい太かった。


ソウソウの言う通り、常に体動かしてたんだろうね…。




「試合もそれでいくつもり?」


励ちゃんが一輝に聞いた。


「いや…使わねぇけど、左手も使ってるフリする。ケガ治ってねぇと思われて、試合出場止められたら嫌だし」


審判って厳しいもんね…。


「でもそれって…やっぱり左手はまだ動かせないってこと?」


あたしは不安な気持ちで聞いた。