【長】野球ボール

「この雨のせいで体温が下がるのが早い!!何かねぇか!?」


「救急車はまだかよっ」


「がんばれよ!!」


何をしているのか全然分からない。


そういえば一輝どこ?




「あなたは大丈夫?ケガはないの?」


あたしに話しかけてくれる女の人。


本当はもっと前からいたのかもしれないけど、あたしはその人の存在にやっと気付いた。


「ねぇ…一輝は?一輝はどこ?」


「かずき?……そう。一輝くんって言うのね。大丈夫よ。彼は必死に闘っているわ」


「た…たかって……る…?」


「きっと助かるから」


やっと現状が飲み込めたとき…。


あたしは、この大雨に負けないぐらい泣いた。


一輝の名前を叫びながら…。