【長】野球ボール

「遅ぇ!!」


突然聞こえたいつもの声に顔を上げると、そこには一輝が立っていた。


「へ?…待っててくれたの?」


驚いて声が掠れる。

何で…?


「何だよ今更。遅いから今日は先に帰ったのかと思った」


「だって今日一輝、機嫌悪かったから…」


一輝がいてうれしかったけど、まだ違和感があって不安のままのあたし。




「……別にいつもと変わんねぇけど」


「嘘っ」


「あーもう、悪かったって!!」


急に開き直った一輝。


「つか、俺待っててよかったのか?」


「え?何で?」


「成宮さん嫌じゃねぇ?彼女と男が二人で帰るとか」


そうかな…?

そんなこと考えてもみなかった。