ご飯も食べ終わり、自分の部屋に戻ろうとした時、携帯のバイブが鳴る。
ディスプレイにはお嬢様の名前。

もしかして、寝れないのだろうか…。とはいってもまだ夜の10時前。お嬢様が寝る時間ではない。

そう思いながら、俺はお嬢様の電話に出る。


「はい、何でしょうかお嬢様」

『……』

「お嬢様?」

『……』

何故か反応しないお嬢様。
えっ、イタズラ!?お嬢様なら有り得る…。いや、でも何かあった!?お嬢様なら…、有り得ない事もないな。


「何か、ありましたか?何とか言って下さいお嬢様」

『なんとか』

「喋れるんかいッ!!!!!!」


思わずお嬢様にツッコミを入れる俺、加藤。


『加藤、お前うるさい黙れ。そして、一生喋んな。息すんな。部屋に来い』

「息はさせて下さいいぃっ!!!……って、えぇ!?部屋ですか!?」


俺が動揺していると、電話の向こう側では『プーップーッ』と機械音がしていた。