訳あり二人暮らし



あーやだやだやだ…自己紹介と言うよりも拷問だよ!

自己紹介自体は30秒もしないのに緊張の量は何10倍とあるよね、見合ってないよね!


っていうか自己紹介ってこんな感じでいいんだよね…噛んだりしなくて良かった…

安堵の溜め息をふうっとつく。

すると


スッと伸びてきた大きな手が私の頬に触れる。


「…顔、赤いな」



頬に感じる感触、視界には腕と手…?


…いきなりの事に状況が掴めず前を見る。


するとそこには私の反応を楽しむようにニヤニヤと笑う瀬山君。

その肩から続くこの手はやっぱり、彼の物で…


「なっ、離してくださいっ…」


手から逃げるようにグイッと顔を逸らす。

チラリと彼の手を見ると名残惜しそうに宙に浮いていた。