「別に謝んなくていいから。ほらさっさと道教えろ」
呆れたように言うけれど、私はどうしようもなくて。
彼に支えられたままの状態で私は恐る恐る口を開いた。
「あ、の…実は……」
男の人に話しかけるなんて何年ぶりだろう。
いや、まぁ実際には『はい』か『いいえ』位は言った事もあるけど…
まともに話すなんて初めてなんじゃないかというくらい久しぶりだった。
「その…っ私、帰り方が……くて…」
「…は?」
「だから、その…帰り方が、分から…なく、て…っ」
私が勇気を出して伝えると何故か時が止まったかのように…辺りが、静かになった。
あ、れ?なんでこんな、静かになっちゃったの?
なんで…男の人は、何も言わないの?
だんだんと不安になってきた私は支え続けられたままの体をまた少し押しのけ、そっと…斜め上にある彼の顔を見上げてみた。
