「…ちょっと強引なナンパでここまで震えてるくらいだし…早く家に帰った方が身のためだと思うけど」 優しい声と共にトントン、と私の背中を撫でる。 「それに俺も助けたわけだけど…いつ狼になるか分かんないよ?」 暗さに慣れてきた私の目にはニヤリと笑う彼の口元が映った。 お、おおかみ?って…どういう事? この人は狼男、って事…? 私は頭の中に沢山のハテナマークを浮かべ、顔を傾けた。 「あー…狼はもういいから、さっさと帰っ…!」 彼は…何か思い付いたかのように言葉を止めると私の頬に手を添える。