「はい?」
声がしたほうを振り返ると、1人の男の子が近づいてくる。
えーと、掃除の班が同じ1班の...
笠原汰一(かさはらたいち)くん?だっけ?
「相川さんさあ!クラス1番なの?」
今まで掃除してても男子と女子の間になんとなーく壁があって、話しなんてしたことなかったから、何かと思ったら、なるほど。
「まあ、ね」
えへへ、と笑って返す。
「えー、すっげえ!俺っちに勉強教えて!」
「機会があればね、いいよ」
私が微笑み返すと、笠原くんは嬉しそうにニッコリと笑った。
「よっしゃあ!さんきゅーな!」
笠原くんは、そう言うと私に少し近づき私の肩に『よろしく!』と言って手を置いた。
私は肩をビクつかせる。
「あ、あ。あの、えっと...」
手が震える。
冷や汗が出てくる。
どうしよう。
