「え、相川さん、クラス1番?」
「相川さん頭いいんだあ!」
「相川さん〜、勉強教えてぇ!」
私の周りにどんどんと人が集まってくる。
「そんな、たまたまだよ」
にっこりと微笑み返しながらひとりひとりの顔を確認する。
左から。
綺麗なロングヘアーの女の子、瀬戸さん。
ショートヘアで日焼けがかっこいい、スポーツ系の女の子、瑞木さん。
ツインテールでいい匂いのする、ちょっとギャル系の女の子、白石さん。
よし、大丈夫。
「帰りのHRすっぞ。席につけー」
ガラガラと扉を開けて、担任の先生がはいってきた。
テスト成績表を返却していた副担任の先生はいつの間にやら教室から出ていっていたようだ。
生徒たちは少し騒がしさを残しつつ、自分の席へついていく。
「起立」
号令係の子が、号令をかけるとガラガラと椅子を引きずりみんなが立つ。
その動作の途中で、私は成績表を折りたたみ机の中にしまった。
国語
96/100点
数学
99/100点
日本史
90/100点
生物
87/100点
英語
92/100点
相川花歩(あいかわかほ)。
高校初テスト
クラス1位、学年3位。
