ゴッッーーー



鈍い音と同時に、頬のあたりに痛みが走る。


私は賢いから、この後に反撃なんてすれば更に殴られることなんて、わかっている。


「おい、なんだこの点数は」



目の前にいる男ーー父が、1枚の紙を私に投げつけた。


その紙には85点という数字が赤く目立つ。


私、結構できたと思うんだけどなあ



「はい、すみません、次はもっと頑張ります」


「次、こんな点数取ったら覚えとけよ」



父は私の部屋の扉を乱暴に開け、自室に帰った。





中学生だった私にとって、父の存在はただの恐怖の対象でしかなかった。