今日返ってきたテスト、あれを見せたらきっとまた、怒鳴られる。
家に帰りたくないなあ。
「花歩、大丈夫?帰ろう」
ぼんやりと、宙を見つめていたらしい。
雛子に話しかけられて、はっと我に帰る。
「ごめんね、私学校に残る用事があるから、今日は先に帰ってていいよ」
もちろん、用事なんてない。
いわゆる、現実逃避というやつだろう。
いますぐ家に帰ることを避けたかった。
「わかった、なんかあったら電話してきてよね!じゃね!」
最後まで優しいな、雛子は。
手を振りながら教室から出た雛子に、手を振りかえして私は自分の席に座った。
雛子は、私の家庭環境を唯一知っている。
男の子を怖いと思ってしまうことも。
だから、さっき助けに来てくれたのだ。
笠原くんに触れられた、あの時に。
いつまでも、雛子に助けてもらってばかりじゃいやだ。
でも、自分を変えるために、あえて共学を選んだのにこのままじゃあ何の進歩もない....
窓際の席で、入ってくる静かな風を受けながら、私は机に突っ伏した。
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