「エッダ、今日はね、外国のことを勉強したのよ。遠い海の向こうにも、色んな国があるのね」

ある日、少女は白い髪を揺らしながら、その日カールに教わったことを楽しそうに話しました。

彼女には想像もつかない外の世界の話でした。


エッダは貧しい家の生まれであった為に、ほとんど教育を受けられなかった女性でした。

ですから、勉強のことを楽しそうに話す彼女を、余計に愛しく思いました。

「そうですか。それは素敵です」

エッダはそう答えながら、少し魔が刺しました。


エッダは、地上の少女の両親にある口止めをされていました。

その隠し事を、少女に伝えるべきだと思ったのです。