エルフリーデ~白髪の魔女~

「私の弟のお名前はなんというの?」

「弟さんは、エンゲルというのです」

「エンゲル…私の弟。エンゲル」

少女は楽しそうに弟の名前を繰り返しました。

エッダははしゃいでいる少女を一層愛しく思いました。

そして、少女をエンゲルに会わせてやりたいと思いました。

しかし、それは許されません。


少女もまた、エンゲルに会いたいと強く思いました。

しかし、許されないことであるとは、言われずともわかっていました。

ですから、エッダに無理を言って困らせるようなことはしませんでした。